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やかん?

両親が方言をあまり使わない家で育った私は、
小学校に入学した時、バリバリの博多弁を使う男子の
言葉が分からないことがあって、戸惑っていました。

入学してすぐは、午前中だけの授業の日が続き、
しばらくして、初めての給食の日になりました。
初めての給食は、食パンとマーガリン、牛乳、
おかずが1品くらいの簡単なメニューだったと
記憶しています。

人生初の給食を目の前にしてドキドキしていると、
隣の席の、食べることが大好きだった男の子が、
満面の笑みを浮かべて私に話しかけてきました。
「ねぇ、これ、やかんでも美味しいねっ!」
私の頭の中に、ハテナマークが飛び回ります。
「これ、やかん」? やかん??
給食のトレーの上には「やかん」なんて無いのに、
この男の子は、何を感動しているのだろう?

私がキョトンとしているので、男の子は再度、
「こ、れ、やかん、でも、美味しい、ねっ!」と
ゆっくり話しかけてきました。
「え、えっと……」と私が口ごもっていると、
その男の子は、私に言うのを諦めたのか、
「先生~!この食パン、やかんでも美味しいね!」
と離れたところにいる先生に向かって叫びました。
そうすると担任の先生は、即座に、
「そうね、焼かなくても、美味しいね」と答えたのです。

当時6歳の私には「やかんでも=焼かなくても」が
衝撃でした、そうなのか、そう伝えたかったのかぁ。

何年か経って、その男の子が、
「あの時、僕に話しかけられるのは嫌なんだな、って
思ったんだよね」と言ってきて、
ただ、言葉が分からなかっただけなのに、こういう
誤解って起きるんだなぁと実感した出来事でした。

因みに「焼かない食パンも美味しい」と発言した男子は、
今、福岡県内でラーメン屋さんで大成功しています。

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